2008.11.13 Thursday
ちゃりんこ暴走族
10円玉と戯れてばかりでは切ない・・・
ということで、50円の販売機を作ることになった。
しかし子供という生き物は、好奇心と欲望さえあれば大人以上の知恵を働かせるもので、「50円玉の代わりに葉っぱやプルタブを入れても回る」という裏ワザを開発してしまったのだ。
集金に行って販売機の金庫を開けてみると、中には葉っぱしか入っていない。
なんて、まるでたぬきにでも化かされた気分だ。
しかも、子供ネットワークは大人より連携がとれていて、一人裏ワザを覚えてしまうと学区内全滅。
その上行動範囲もある意味大人以上で、ちゃりんこ暴走族の現れた学区外も全滅。
「一軒やられる分にはいいや。」ってわけにはいかなくなって、結局50円機は撤退することになった。
子供に負けたのだ。
そんな子供たちの情報網は、今も昔も企業を大きく左右させている。
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2008.10.29 Wednesday
10円貯金
奇々怪々な社長の下、10円機から始まったガチャガチャ業だったが、「豪華当たり付き」という魅力的なキャッチフレーズに取りつかれた子供たちの協力によって、一気に売り上げを急増させた。
それに伴い集金の量も増し、銀行で入金できないほどの10円玉が毎日集まるようになった。
1袋で4万円分入った麻袋は倉庫をみるみる埋め尽くし、ついには2階の社長室まで占領しはじめた。
そしてとうとう
「10円玉の流通が滞っております。」
と、日銀から注意を受けるほど、コスモスは銅貨に侵食されていた。
後日、大量の麻袋が4tトラックで次々と運び出されたのだが、その光景はある種の怪しい空気を作り出していた。
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2008.10.16 Thursday
近所の噂
渋滞の影響をもろに受ける17号の入口に会社が建っていたため、朝の出勤も一苦労だった。
誰もが苛立つ通勤ラッシュ真只中、会社の入口を掃除している一人のおっちゃんが、さらに皆の苛立ちと渋滞を煽っていた。
「おじい!どけこの野郎!車入れねーだろ!!」
皆の心を代弁すべく怒鳴り声を上げた私を見たおっちゃんを見て、私の心は一瞬でしぼんだ。
深く帽子をかぶり、ジャンパーを着たおっちゃんは社長だったのだ。
そしてまた減俸。
与野にある本社の周りには、様々な大手企業が軒を連ねていた。
コスモスのすぐ隣は、大手中の大手、M菱の研究所だった。
とにかく勢いのある企業が嫌いな社長は
「M菱生意気だから文句言ってきなさい。」
という社長命令をよくくだす。
もちろん「はい、わかりました。」と言って、その度お隣さんに出向くのだが、まさか本当に文句を言うわけにはいかないし、むしろ文句を言う理由がない。
しかたがないので
「すみません、名刺だけいただけませんか?うちには気の違ってる奴がおりまして・・・」
と言って証拠だけもらうのだ。
気の違った奴の命令に付き合わされる気の優しい先方は
「お噂は聞いております。」
と言って毎回快く名刺をくれるのだった。
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2008.09.29 Monday
ジャングル
事務所がジャングルと化したこともあった。
事務所に植物を持ってきた社長に、珍しいこともあるものだと思い、
「植物があると気持ちがいいですね。」
などと、ごくありふれた社交辞令を述べた。
なるほど、植物は人と人との関係を穏やかにする効果があるもんだな。
なんて思っていたら次の日。
事務所に花屋が乗り込んできて、あちらこちらに次々と植物を置き始めた。
そしてものの5分で事務所内はジャングルと化してしまったのだ。
やることが極端な社長の行動に「これじゃ歩けねーよ!」と一言ぼやいたら、「はい、減俸です!」の一声。
さすがに邪魔だと思ったのか、3日もたたずにジャングルは跡形もなく消え果たが、減俸された私の給料は放置されたままだった。
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2008.09.09 Tuesday
大きくなったら鯨に
月に一度行われる社内会議ほど憂鬱なものはない。
耐久レースのように、何周も何時間も同じ意見がぐるぐる回る。
毎回これではたまらないので、面倒な時には首に包帯を巻いて
「今日はのどの調子が悪いのでしゃべれません。」
と、小さなストライキを試みる。
会議の内容は殆ど洗脳に近い。
社訓に掲げられた
『小さな「メダカ」より 大きな「鯨」に』
というセリフを何度も何度も繰り返される。
おまえらは鯨だ おまえらは鯨だ おまえらは鯨だ
言葉の意味はよくわからないが、とにかくすごい自信なのだ。
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